輪旅第十四弾 ~祝1周年!めでたい北斎~学芸員五味さん 編

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1周年の11月22日は開館前から行列!

2017年11月22日で開館1周年を迎えた「すみだ北斎美術館」。

これまで数々の魅力的な企画展を開き、来場者は30万人を超えています。(現在は「開館一周年記念 めでたい北斎~まるっとまるごと福づくし~」を開催中!)

そんな勢いを増している「すみだ北斎美術館」の学芸員・五味和之さんにこれまでの振り返りとこれからの展望などについてお話をお聞きしました。

さて、学芸“人”「葛飾ふとめ・ぎょろめ」のお二人は本物の学芸員からどんなお話を伺ったのでしょうか。

ふ:葛飾ふとめ

ぎ:葛飾ぎょろめ

五:五味和之さん

走りぬけた1年

ふ:葛飾ふとめ
ぎ:ぎょろめの
ふ&ぎ:輪になって北斎!
ぎ:さあ、第14弾!すみだ北斎美術館にやってまいりました!なんとこの美術館は11月で1周年!
ふ:めでたいわね~。
ぎ:そんなめでたい美術館の開館からこれまでについてお聞きしたいと思います!お呼びしたのは私たちの師匠でもあります、すみだ北斎美術館の学芸員「五味和之」さんです!
五:はい、学芸“員”の五味和之でございます。
ふ:よろしくお願いいたします。お世話になっております。
ぎ:一周年おめでとうございます。
五:ありがとうございます。皆様のおかげでございます。
ふ:ほんとそうね!
一同:(笑)
 

ぎ:私たちは開館前から美術館建設地の見学ツアーなんかやってたね。
ふ:そうだね、何もない頃から活動していたわね。
五:そういう意味ではある意味、最初からいましたよね。
ぎ:振り返るとそうですね!では、いくつか質問をさせていただきますね。まずは1周年を迎えた率直な感想を教えてください。
五:走り抜けました・・・。
一同:(笑)
ぎ:率直ですね。
 

五:最初想定していたのは土日や祝日にお客様がどっと来るだろうと予想していたんですよ。でも開館してみると、おかげさまで平日にも関わらずたくさんのお客様がいらしてくださって。それもあってこの一年はずーっと走りっぱなしでしたね。
ぎ:週末はご家族で観賞に来てる方を見かけますが、平日はツアーで来ているような外国の方もたくさん見かけますよね。あとは修学旅行の学生なんかもよく見かけます。
五:そうですね。平日は団体で来られる方が多くて、一度に100名様入場なんてこともよくあります。
ぎ:なんとなく美術館ってガラガラなイメージがあるんですけど、そんなことはなくて五味さんは常に作品の解説で引っ張りだこですよね。
五:そうですね。ジーッとしていたことはないですね。
ぎ:それらを総括して「走り抜けた」ということですね。
 

地域の方の身近な存在になるために

ぎ:開館してから印象深かったことは何かありますか?
五:そうですね・・・。地域の方に葛飾北斎がこの亀沢あたりで生まれ育ったことなんかをお話するとみなさん「へえ、そうなんだ」っておっしゃるんですよ。地元の方でもまだまだ北斎のことを知らない方がいらっしゃるので広く伝えていきたいと思っています。
ふ:私たちも「葛飾ふとめ・ぎょろめ」として活動していますが、「葛飾区で活動しているの?」なんて聞かれることがありますね。なので、葛飾北斎が墨田区の生まれで…なんてお話したりしますよ。ここ亀沢付近で生まれたことってあまり知られていないなと感じます。
 

五:ええ。地元の方にはまだそんなにお越しいただけていなくてですね。出先で地域の方に向けて講演したときも「あら、そうなの?まだ行ったことないから今度行ってみるわね。」って言われることがありますから、「早く来てくださいね」って伝えています(笑)。
ぎ:近いからこそなのかもしれないですけど、地域の方もフラっと寄れるくらい身近になりたいですよね。
五:そうですね。工夫していきたいと思います。
 

ぎ:今はどのくらいの方が美術館に来ていらっしゃるんですか?
五:この11月の半ばで約36万人ほどですね。
ふ&ぎ:すげー!!
ぎ:企画展で展示を変えているのでファンの方が通ってくださっているかもしれませんね。
五:ええ、いわゆるリピーターの方は年間パスポートを購入してくださっているので、展示物が変わるたびに来てくださっていますね。あとはギャラリートークや講演会、ワークショップなんかも開いていますのでそれを楽しみに来てくださっている方もいらっしゃいます。
 

江戸に想いを馳せる

ぎ:企画展はこれまで何回くらい開催しているんですか?
五:6回ですかね。
ぎ:そのたびに見たことない作品が出てくるからいつもワクワクしますよ。
五:ありがとうございます。所蔵作品がだいたい1200点くらいありまして、一度には展示できないので少しずつ公開していますね。
ぎ:なるほど。これはあんまり聞いたことがないんですが、美術館に所蔵している作品で五味さんが個人的に好きな作品は何かあるんですか?
五:うーん、そうですね…。全部好きなんですが…。
一同:(笑)
 

御厩川岸より両国橋夕陽見

冨嶽三十六景「御厩川岸より両国橋夕陽見」

五:思い入れのある作品はやっぱりありますよ。「冨嶽三十六景」の一つの「御厩川岸より両国橋夕陽見」ですね。あれが子どもの時から好きなんです。どこか物語があるような気がするんですよね。
ぎ:物語…ですか?
五:ええ。夏の気怠い時期、8月18日の夕方6時33分くらいかなあなんてね。想像が膨らむんです。
ぎ:具体的な想像だ…。
ふ:子どもの頃というとどのくらいの時期だったんですか?
 

五:これは確か中学生くらいの時に見て「ああ、好きだな」と思いましたね。ただそれが葛飾北斎の作品っていうのは知らなかったんですよ。
ぎ:いわゆるメジャーどころの「神奈川沖浪裏」とかではなくて、そういうところで北斎と出会ったんですね。
五:「神奈川沖浪裏」や「凱風快晴」は「人」が出てきませんよね。「御厩川岸より両国橋夕陽見」は色んな人が色んな表情で渡し船に乗っているのでそれが面白いなあって思いました。そういうところが好きですかね。
ぎ:江戸時代の暮らしに想いを馳せられるようなそんな作品が好きなんですね。
五:そう、江戸時代大好きなんです!
ふ&ぎ:そうなんだ!(笑)
 

ふ:江戸時代に魅せられたのはいつからなんですか?
五:もうこれはね、小学校に上がる前から好きだね。
ぎ:ませた少年だったんですね(笑)
ふ:時代劇から入ったとかではなくて…?
五:それもありますよ。当時はチャンバラとか水戸黄門とかTVで観てたのでその影響もありますが、幼少の頃から本を読むのが好きだったんです。親が買ってくれた「日本の歴史」っていう本があって、合戦や戦いの画が載っててよく眺めてました。
ぎ:じゃあ、北斎の生きた時代に行ってみたいって思ったりするんですか?
 

五:今でも思ってますよ!どうして北斎と会えないんだろうって。江戸時代だったらこの辺をうろちょろしてるはずなのに…って。
ふ:五味さんピュアだね…。
一同:(笑)
ぎ:生まれた時代を間違えたみたいなね。
ふ:五味さんはもう本当にお世話になってますけど、こんなピュアなところ初めて知りました。
 

筋が1本通っている北斎

ぎ:改めて北斎のここが好き!いいんだよなあと思うところがあれば教えてください。
五:そうですね…。結構いい加減なおじいさんだと思うんですよ、わがままなところもあってね。ただね、筋が一本通っているんですよ。描くことに対して妥協しなかったりとかね。
ぎ:そういうところは尊敬できますよね。
五:そうだね。家中を散らかすのはちょっと尊敬できないけどね。
一同:(笑)
 

ふ:画に対する集中力は凄まじいですよね。
五:尋常じゃないよね。
ふ:掃除・洗濯とか家事のことを一切無視してますからね。
五:「神奈川沖浪裏」なんかは波ですから止まっているものではないわけですよ。動いてる波をずっと観察して記憶して画を描くときに思い起こして一線ずつ描いていくわけですから、その集中力は人並み外れていますよね。
ぎ:家の中が散らかろうが布団にシラミが湧こうがそんなところは関係なく作品を完成させるっていうところは筋が通ってますよね。
五:そうですね。
 

念仏を唱えていた北斎

ぎ:あとお聞きしたいのは、これまであまり話してこなかった北斎にまつわるエピソードがあったら教えてください!
五:うーん、そうですね…。何かあったかなあ…。一通りお話しして来ましたのでだいたいご存じかと思うんですが、北斎は人の顔を覚えるのがあまり得意でなかったんです。
ぎ:そうなんですか?
 

五:意外とね。だから道端で人に会いたくないんです。道で会うと挨拶されちゃうから。あれこの人誰だっけ?って思い出せないので外出するときはずっと「念仏」をボソボソと唱えながら歩いていたそうです。自分はボソボソ言いながら歩けばいいし、前から来る人は「声かけたら悪いな…」って遠慮して話しかけませんよね。だから、ふとぎょろさんもちょっと苦手な人が向かいから歩いてきたら「念仏」を唱えてみたらどうでしょう?
ぎ:やめておきます。
一同:(笑)
 

五:まあ、そういう小ネタって随分お話ししてきましたから、新たに探さなきゃいけないかもしれませんね。
ぎ:北斎漫画なんかで人の表情を捉えて描くことはしてますけど、自分自身は他人の顔を覚えるの苦手なんですね。
五:そうだね。まあ、私たちも初対面の人とお話しするのは気を遣うじゃないですか。どんな人か分からないし。
ぎ:あ、北斎との共通点見つけました。私もちょっと苦手な人がいたら電話に出るふりしてやり過ごします。「あ、もしもし?」って。
一同:(笑)
 

まさに成長する美術館

ぎ:では最後になりますが、五味さんの今後の意気込みを教えてください。
五:そうですね…。今はたくさんの方がいらしてくださっていますが、やがては閑古鳥が鳴くこともきっと来ますよね。永久に今の状態が続くことはあり得ませんのでね。そういうときにはまた一から工夫して盛り上げられたらいいなと思っています。
 

美術館には北斎の作品の一部になりきれるスポットが!

ぎ:美術館ではね、私たちみたいなユニットを公認してくださったりとか、あとは「インスタ映え」を早くも取り入れたりしてますよね。
五:そうそう、まあ実験的に色んなことを試してみて当たったり外れたりしてますけれども、とにかく10~30代の方に来ていただきたいんですよね。相対的に少ない層なので。情報発信をしていかなければいけないので、SNSはとことん活用していきたいなとは思っていますよ。インスタグラムを始めとしてね。
 

ぎ:開館当時に菊田館長がおっしゃっていた「成長する美術館」っていうフレーズがまさにハマりますね。
五:そうですね。成長することはいいことですよね。みんな動き続けていて止まることはないわけですよ。それだったら少しずつ成長したいなと思いますね。いずれふとぎょろがビッグになってこんな美術館をわき目もふれなくなることもあるかもしれませんし。
ぎ:そうでしょうね。
ふ:(笑)
五:そういう時でもね、すみだ北斎美術館だったら協力するよって言ってもらえる美術館になりたいですよね。
 

ぎ:ビッグになれるよう精進していきます!それでは五味さん、お忙しい中ありがとうございました!

ふ:ありがとうございました。

五:こちらこそ、ありがとうございました。

つながる

墨田区

恒例の「人つながる墨田区」ポーズで幕を閉じた輪旅第十四弾。

これから更に成長を続ける「すみだ北斎美術館」の活躍が楽しみですね!

次回の輪旅は12月下旬更新予定、お楽しみに♪

 

墨田区公式フェイスブック」では輪旅オフショットを公開中。

大好評の新春イベントは2018年も開催!

2017年の年明け、大好評で幕を閉じた「すみだ北斎美術館」の新春イベント。※写真は2017年のもの。

なんと2018年も開催予定!

獅子舞、書初め、学芸“人”によるパフォーマンスなどパワーアップして帰ってくるそうです!

続報は「すみだ北斎美術館」公式ホームページでの告知をお待ちください♪