【Vol. 06】前編 大志溢れる若者とともに

「葛飾ふとめ・ぎょろめの輪になって北斎」は今回で最終回!

最後のインタビューは前後編の2部構成でお届け。

前半のゲストは墨田区江東橋に稽古場を持つ“劇団M.M.C”の主宰で、脚本家・演出家としてご活躍されている「天野まり」さん!

墨田区シティプロモーションドラマでもご協力いただいた天野さんが劇団を立ち上げたその理由とは・・・?

追求するのは“リアリティ・ミュージカル”

ふとめ:葛飾ふとめ

ぎょろめ:ぎょろめの

ふとめぎょろめ:輪になって北斎!

ぎょろめ:第十七弾!ということで、今回のゲストは墨田区江東橋に稽古場を構える劇団M.M.Cの主宰や演出家として活躍される“天野まり”さんです!よろしくお願いいたします。

ふとめ:よろしくお願いいたします。

天野さん:よろしくお願いいたします。

ぎょろめ:天野さんは1999年に劇団M.M.Cを立ち上げ、ミュージカル作品など多くの作品を手がけていらっしゃいますが、普段の活動やお仕事内容がどんなものか教えてください。

天野さん:はい。ご紹介いただいた様に1999年に劇団を立ち上げまして、私たちはオリジナルのミュージカル作品の上演を目指しています。また、“リアリティ・ミュージカル”であることにこだわっています。
 

ぎょろめ:“リアリティ・ミュージカル”?

天野さん:これは私の勝手な造語です。世の中にはミュージカルに苦手意識を持たれている方がいらっしゃいますよね。いきなり歌ったり踊ったりすることに違和感を持たれたりとか。そういった方々に向けて、あくまでも歌や踊りはストーリーの一部でなおかつリアリティを持つものになるようこだわっています。

ふとめ:そう!私がそうですね。唐突に歌ったり踊ったりすることに驚いてしまいます。

ぎょろめ:私はミュージカルが歌ったり踊ったりするそういうものだと認識があるので、違和感なく受けいれられましたよ。

天野さん:そう、ふとめさんのように苦手意識を持たれている方はまだまだ多いですよね。

ぎょろめ:そんな方に向けてはどうやって歌や踊りを取り入れていくのでしょうか。
 

天野さん:例えば楽しい気分になったときって鼻歌を歌ったり、ちょっと足取りが軽くなってスキップをしたりしますよね?その延長線で歌や踊りがあるようなイメージです。歌や踊りに変化していく経過を大事にすれば、ミュージカルが苦手な方々にも作品を届けられると思っています。

ふとめ:ミュージカルを知るきっかけにとても良いですね!天野さんの作品をきっかけにミュージカルを知ってどんどん好きになっていく、みたいな。

天野さん:そうですね。そうやって“リアリティ・ミュージカル”を追求しつつ、ミュージカルファンを増やしていけたらいいなと思っています。
 

若者たちと揚げた旗

ぎょろめ:そんな現実味のあるミュージカルを目指している天野さんは作品の演出や脚本も手がけていらっしゃるんですよね?

天野さん:はい。最初は脚本や演出を外部の方に依頼することもありましたが、活動を続けるにつれ自分たちの作品を守るためには自分自身の力で作らないといけないなと思ったんです。権利的なことも考慮してですね。まず自分で書いて演出することが大事だと気付いたんです。

ぎょろめ:劇団の中で脚本や演出を行って完全なオリジナル作品にしようとしたわけですね。

天野さん:そうですね。

ぎょろめ:劇団を立ち上げたそもそものきっかけは何だったのでしょうか?

天野さん:はい。まずは、私がある専門学校でダンスの講師を長年務めておりまして…。

ぎょろめ:あ、先生だったんですね。
 

天野さん:そうなんです。専門学校やダンス教室などでやっていましたね。ある時、専門学校で教えていた卒業生たちが私のところへ「ミュージカルをやりたいので見てください」って訪ねてきたんです。ミュージカルを作るためには歌やお芝居ができないといけないので、他の先生と協力してまずはワークショップを開いたんです。“ワークショップM.M.C”、それが始まりでしたね。

ふとめ:あ、ワークショップのときの名前が今も続いているんですね。

天野さん:そう。それで、お芝居の先生やダンスの先生、歌の先生たちをお呼びしてワークショップを開いたんです。

ぎょろめ:ミュージカルを作るための教室だったわけですね。

天野さん:はい。2年間くらいワークショップを続けた後、舞台で照明を担当されている方に出会ったんです。その方が「私、脚本書いているんです。」と申し出てくださって、それが素晴らしい本だったんですよ。
 

ぎょろめ:照明をやりながら脚本も書いていらしたんですか?

天野さん:その様ですね。書いていらした脚本がそれはもう素敵なものだったので「劇団旗揚げしちゃう?」って持ちかけたんです。

一同:(笑)

ぎょろめ:そうだったんですか!

天野さん:ええ、その時はまだワークショップで劇団ではなかったものですからね。

ぎょろめ:ミュージカルをやりたい若者をまずはしっかり2年間稽古して、その後にちょうどよく素敵な脚本に出会えて旗揚げできたわけですよね。デビューすべくしてデビューしたみたいな。
 

天野さん:ありがたいですよね。その脚本で私たちと一緒に作品を作った作家さんは、その後に劇作家協会で表彰されていましたよ。本当に素敵な方でした。

ふとめ&ぎ:ええー!それはすごい!!

天野さん:そう、女性で照明をやられていた方なんですけどね。どんどん劇作家としてご活躍されていきましたね。

ぎょろめ:どうなるか人生分からないですね。
 

“タニマチ文化”

ぎょろめ:そんな経緯で旗揚げした劇団M.M.C。その稽古場がここ墨田区江東橋にありますが、またなぜ墨田区内に?

天野さん:はい。実は区内を転々としておりまして、最初は両国だったんですね。当時世の中はバブルが弾けた頃で、そのときは両国のビルの2階を借りていました。バブルの影響か、ある日突然ビルのオーナーから立ち退きを迫られ…。

ふとめ:あら…。

天野さん:そんなことを言われてもどうしようかと困ったのですが、もっと広い空間の稽古場にしたいとも考えていたのでまずは物件探しに奔走しましたね。それで、大門通りにある倉庫が見つかって5年くらいはそこで稽古していました。ですが、やはりうるさいと苦情が寄せられてしまって…。
 

ふとめ:まさかまた大家さんに…?

ぎょろめ:出て行ってほしいと…?

天野さん:言われましたね。

一同:(笑)

天野さん:ただ、近所に住んでいる子どもたちがレッスンに通っていたこともあって遠くへは引越せないと相談したんです。その結果、今いるここの物件を紹介してくださったんです。ここももう10年くらいですかね。
 

ぎょろめ:最初が両国だったのは何かご縁あったのですか?

天野さん:両国と森下の中間くらいだったかな。演出家の蜷川幸雄さんに縁のあるスタジオが森下にあって、お芝居をやるなら森下界隈だなとずっと思っていたんですよ。

ふとめぎょろめ:あー!

天野さん:その時の稽古場のエピソードがひとつありまして…。稽古場の近所にあったおにぎり屋さんによく通っていて、稽古場を開いた旨もお話したんです。そうすると、「目をキラキラさせて通る若者が増えたと思ったらそうだったのね!わかったわ、私応援する!」と言ってくださったんです。そのエリアには“タニマチ文化”っていう頑張る人を応援する文化があることも教えてくださいました。後日、本当に電話がかかってきて「おにぎり取りに来ない?」って連絡がありました。「行きます!」って即答したことを覚えています。
 

ぎょろめ:最高の街じゃないですか…。

天野さん:そうなの!本当に素敵な街でした。

ぎょろめ:演劇の稽古場って難しいじゃないですか。異様なものを見られるような感じがあったりとか(笑)。

天野さん:そうなんですよね、なので応援してくださる環境はとてもありがたかったです。人の距離の近さとか温かみを感じられるアットホームな街ですよね。
 

地域の方と臨んだ撮影

ぎょろめ:そうしてこの街との縁も深まり、2017年には墨田区のシティプロモーションドラマ「スカイツリーのあしもとで  つながる街すみだ」にキャスティング協力とご自身もフウガドールすみだを応援する山口菊枝役としてご出演され…。

天野さん:そうなんです!突然のご指名で!!

一同:(笑)

ぎょろめ:その突然のご指名で撮影した当時のことで印象深かったことを教えてください。

天野さん:はい。応援のシーンを撮影するときはフットサルの試合が実際にはなくて、あたかも目の前で試合を観戦しているお芝居をしなくてはならなかったんです。
 

ぎょろめ:自然だったのでてっきり皆さんで観戦してるものだと思い込んでいました。

天野さん:ありがとうございます。エキストラのみなさんと一緒に臨場感が出るようにお芝居した甲斐がありました。ご協力くださった方々は近所にお住まいの方を中心に集まったそうで、そんな場所でも人のつながりを感じましたね。そして実はそのとき初めて墨田区総合体育館に訪れたんですが、きれいで立派な建物ですね!あの場所での試合はさぞ盛り上がるんでしょうね。

ふとめ:凄まじい熱気でしたよ!以前私たちはホームゲームのハーフタイムでパフォーマンスさせていただいたことがあるんですが、それを見たサポーターの方々が温かい声をかけてくださったのをよく覚えています。

天野さん:ある種のすみだらしさがサポーターの方々にも浸透していますね、素晴らしいことだと思います。
 

現代を生きる人にミュージカルの楽しさを

ぎょろめ:それでは最後に記事をご覧になっているみなさまにむけてメッセージをお願いいたします。

天野さん:はい。とにかく私はミュージカルが大好きなので、日本の方々に向けて日本人による日本人のためのミュージカルを作って参ります。そうして日本のミュージカルファンを増やしていくことが目標です。ミュージカルは外国から輸入した作品が多いですけれども、日本は歌舞伎というある種のミュージカルが昔からありますよね。なので、みなさんには現代のミュージカル文化を楽しんでもらいたいと思っています。
 

ぎょろめ:劇団M.M.Cの日本人に向けた現実味のあるオリジナルミュージカル、体感するのは記事をご覧になっているあなたです!天野さん、貴重なお話ありがとうございました!

ふとめ:ありがとうございました!

天野さん:ありがとうございました。
 

輪旅第十七弾前編、劇団M.M.C設立秘話を天野まりさんにお聞きしました。

これからのご活躍がますます楽しみですね!

続いて後半はコチラから。

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