【Vol. 10】肚(はら)からヤッホー!

輪旅第十三弾、今回の舞台は八広にあるアトリエ兼アートスペースの「yahiro8」。

お話を伺うのは北斎漫画を基にしたヨガ、「北斎ヨガ」を考案した「オカザキ恭和」さん。

オカザキさんが「yahiro8」を開いたきっかけ、それから「北斎ヨガ」考案の秘話を聞いた学芸人の二人は・・・?

カラダとココロが整うヨガ

ふとめ:葛飾ふとめ

ぎょろめ:ぎょろめの

ふとめぎょろめ:輪になって北斎!

ぎょろめ:さあ始まりました、輪旅第十三弾。今回は「北斎ヨガ」考案者のオカザキ恭和さんにお越しいただきました。というより、お邪魔しています!

ふとめ:素敵な空間よね~。よろしくお願いします。

オカザキさん:よろしくお願いします。

 

「北斎ヨガ」考案者のオカザキ恭和さん。

 

ぎょろめ:では早速ですが、初めにオカザキさんの簡単なご紹介をさせていただきます。オカザキさんは広告制作をする仕事の傍ら息抜きに始めたダンスが転換点となり、ダンス表現活動を開始。カラダとココロのつながりに関心を持ち、ヨガに取り組むように。そして、ヨガを多くの方に紹介したいと2004年からヨガ教室を開始。2010年にはアートスペース兼アトリエのyahiro8をオープン。2012年には「北斎ヨガ」を考案され、好評となり執筆活動や講演を行いながらヨガ指導や障害を持つ方へのダンス指導、身体表現としてのダンス活動を手がけている。ということですが・・・。

ふとめ:聞きたいことがいっぱいあるね!

ぎょろめ:そうだね。それではゆっくりとお話を伺っていきたいと思います。息抜きに始めたダンスからまたなぜヨガへ興味をお持ちになったんですか?

オカザキさん:はい。ダンスを始めたと言っても20代後半からですし、それまであまり運動も得意ではなかったのでカラダを動かすこともほぼなかったんですね。踊る基礎もできていませんでした。その基礎作りをしていく中でヨガに取り組みまして、カラダがとっても気持ちよかったですし、不思議とココロもホッとしたんですよ。カラダとココロが整うというところにまず興味を持ちましたね。

 

ふとめ:ダンスをやりながらヨガにも取り組んでいる人って結構いますね。私の周りにもいます。

オカザキさん:そうだね。ヨガだけじゃなくて、「何か+ヨガ」みたいに組み合わせている人は多いんじゃないかな

ぎょろめ:今の話を聞いて、カラダだけではなくてココロのコリもほぐすようなそんな効果もありそうだなって思いました。

 

オカザキさん:うん。それこそ、いわゆるストレスを発散するために最初はモダンバレエとかコンテンポラリーダンスとかに挑戦してみたんだけれど、共通するのはカラダを動かすとココロも楽になるっていうところだったね。

ふとめ:わかります。私もダンスレッスンをやっていて、ストレスを感じているなあと思った時にはまずカラダを思いきり動かします。そうすると本当にストレスも緩和されて軽くなったようなそんな状態になりますよね。

 

北斎漫画との出会い

ぎょろめ:オカザキさんはモダンバレエやコンテンポラリーダンス、ヨガなどを経て、オリジナルの「北斎ヨガ」を考案されるまでに至ったわけですが、そもそも葛飾北斎の作品にはどのように出会ったんでしょうか?

オカザキさん:はい。まず、なぜヨガをチョイスしたかと言うと、寝ながら取り組めてなおかつ呼吸を意識することでカラダとココロのつながりを実感できるなと思ったからなんです。ダンスだとある程度の運動量が必要ですし、足腰の悪い高齢者の方には難しいなと思って。なので、ヨガなら色んな人に受け入れてもらえるかもって思いついたんです。

 

ぎょろめ:なるほど。また何故そのヨガに北斎の要素を入れようと思ったんですか?

オカザキさん:はい。コンテンポラリーダンスをかれこれ10年くらいしていたこともあって、色んな素材と一緒に踊りを作り上げるのが自然になっていたんですよ。どんな素材でも自分の中で響くことと結びつけばそれは踊る要素になると稽古してもらっていたので。それで、2012年に「北斎漫画」をテーマに何かやってみませんか?ってお誘いがありました。どうやら墨田区界隈で芸術活動をしている人に声がかかってたみたいなんですよね。最初はダンスでやってみようかなと考えていたんですが、「北斎漫画」をペラペラめくっていったら、作品中にヨガに似ている動きがいくつも見つかって呼吸と組み合わせたらこれはヨガになる!と何となく思ったんですよ。

ふとめぎょろめ:すごい!!

 

オカザキさん:そう、それで自分でも北斎について調べていたら、人体をいきいき描くには骨格や筋肉の動きをよく知らないといけないってこだわっていたそうなんですよ。どうやら凝り性の人だったみたいで。当時の接骨師に弟子入りしてまで人体について研究していたそうなんです。

ぎょろめ:さすが北斎先生ですね。弟子入りするくらい研究していたわけですから、北斎漫画の中の動きは全て再現できるんですか?

オカザキさん:概ねできますね。ただ中にはこれはちょっと無理でしょうっていうものはあります。

一同:(笑)

オカザキさん:北斎漫画のポーズを真似すると思ったより関節に負荷がかからなかったので、人体の動きをよく研究なさったんだなと気づきましたよ。

 

ぎょろめ:北斎漫画から江戸時代の人の身体の特徴とかクセなんかも分かりそうですね。

オカザキさん:そうだね。北斎漫画の中には日常生活の動きが分かる絵もあって、江戸時代の人の動きを体感することができます。「北斎ヨガ」は私が考案したものなので、現代的な解釈ももちろん含まれているんですが、江戸時代の人は肚(はら)には命が宿ると言っていたくらい肚(はら)まわりをすごく大事にしていたので、「北斎ヨガ」も肚(はら)という要素を大事にしています。

ぎょろめ:なるほど。私はてっきり北斎漫画の面白いポーズを面白おかしく紹介しているものだと思っていたんですが、江戸時代につながるというかその時代に思いをはせられるヨガなんだなと改めて思いました。

 

クリエイティブな活動を受け入れてくれる雰囲気

ぎょろめ:北斎ヨガはここ「yahiro8」で体験できるんですか?

オカザキさん:そうですね。だいたい月に1~2回くらい、イベントがある時は2か月に1回くらいのペースでレッスンを開いています。

ふとめ:どのくらいの時間体験できるんですか?

オカザキさん:1回のレッスンは90分で行っていますね。

ぎょろめ:結構たっぷりやってもらえるんですね!

 

オカザキさん:肚(はら)を大事にするために丹田呼吸を丁寧にやりますからね。それで解説を入れながらいくつかポーズをとり、最後にはリラックス系のポーズをやって終了するような流れですね。

ぎょろめ:なるほど。この「yahiro8」はアトリエ兼アートスペースとのことですが、どうしてまたこの場所に開こうと思ったんですか?

オカザキさん:ちょっと話が長くなるかもしれません。

ぎょろめ:5時間以内だったら大丈夫です。

一同:(笑)

 

オカザキさん:「yahiro8」を開く前はコンテンポラリーダンスにはまっていたり、さらにマイナーな身体表現活動をしていたこともあって、私がやっていることは果たして受け入れられるのかなあと不安になりました。とはいえダンスは好きだからやりたいし・・・。そうなると、稽古場が欲しくなってくるんです(笑)。

ぎょろめ:そうですよね。

オカザキさん:毎回練習用のスタジオをとっていたらコストが馬鹿にならないので…。それでちょうど、引っ越し先を探していたこともあって広いスペースのある物件をいくつか探しました。この八広の他には赤羽とか探しましたね。ここの物件は駅からちょっと歩くので悩んだのですが、天井の梁がとても魅力的だったので決め手の一つになりました。

 

ぎょろめ:なんだか色が濃いですよね。

オカザキさん:どうやら以前は町工場だったようで、機械油が染みついているようなんですよ。こんな梁ってなかなか見ないし、新しく作ることはできないものだからとても素敵だと思ったんです。それで、物件はここにしようと思ったんですが、次に墨田区って一体どんな場所なんだろうと気になりました。当時はまだアサヒアートスクエアがあったりしたので、もしかしたら芸術的な活動ができる土俵があるんじゃないかなと何となくよぎりました。さらには町工場が多くあって、何かを作ったり創造したりすることに関しては受け入れてもらいやすいのかなって思ったんです。勘なんですけど。それで思い切って引っ越してきました。長くなりましたが、それがこの場所に「yahiro8」を開いた経緯ですね。

ぎょろめ:なるほど。この味のある梁が特徴の物件とクリエイティブな活動を受け入れてくれそうな環境とか雰囲気があったからだったんですね。

 

すみだの銭湯でバカンス♪

ぎょろめ:オカザキさんは「北斎ヨガ」の活動のほか、区内の銭湯を盛り上げるための取組「銭湯バカンス」にも参加されているとのことですが、こちらはどんな活動なのですか?

オカザキさん:ちょっと話がそれるんだけど、私って「人」に対して面倒だなとかそういう感情しか持っていなかったんです。それが墨田区へ引越してきて、大家さんが気にかけてくれたり近所の人が朝顔を褒めてくれたりして、なんだか「人」っていいなって思えてきたんですよ。墨田区っていい意味で周りの人になんとなく巻き込まれていって、最後には「楽しかったね」って分かち合えたりする土地なので、それってとても素敵だなって思いました。人の優しさが染みるお年頃なのかしら。

 

ぎょろめ:そうですね、お年頃になると秋の寒さと人の優しさが染みるっていいますもんね。

一同:(笑)

オカザキさん:そんなこともあって、私も人の役に立ちたいと思って始めたのがこの「銭湯バカンス」です。銭湯ってまさに人の温かさが凝縮している場所だと思うんですよ。まあ、そもそも暖かい場所なんですけれども。

 

ぎょろめ:昔から交流の場でもありますもんね。

オカザキさん:そうです!なんといってもまさに裸の付き合いですからね。この取組は2017年の年始に「すみだクリエイターズクラブ」っていう仲間たちと同じ取組をしていて、今回はその続きでもあります。銭湯がココロもカラダも温まる素敵な場所ということを1人でも多くの方に伝えたいと思って始めました。

ぎょろめ:なるほど。内容がとっても気になりますね。「バカンス」ってなんだろう・・・。

オカザキさん:お風呂以外に楽しめる内容がいろいろありますが、たとえば銭湯に行ったら「タロット占い」をしてもらえたり、似顔絵をうちわに描いてもらえたりする日があります。あと将棋大会なんかもあります。

 

ぎょろめ:あ!北斎ヨガもあるじゃないですか!オープン前の銭湯のほどよい温度湿度の洗い場でヨガをします・・・。楽しそう!

オカザキさん:これは、私がホットヨガのインストラクターをしていた経験もあって思いついたんです。

ふとめ:そうか!ホットなのか!

オカザキさん:セミホットくらいかな。

一同:(笑)

オカザキさん:天井が高いのと、湿度がそれなりにあって暖かい空間だから呼吸がとてもしやすいんです。北斎ヨガは声を出しますから銭湯だとよく響いて気持ちいいんですよ。これは色んな人に体験してもらいたいですね。

 

ぎょろめ:いいですね!ヨガでじんわり汗をかいたあとにその汗をお風呂で流す…。

ふとめ:いい。これは素敵。

ぎょろめ:完璧な組み合わせだね。これは入浴とセットなんですか?

オカザキさん:基本的にはセットです。でもその場ですぐお風呂はちょっとな・・・という方は期間内であれば後日改めて入浴に来ても大丈夫です。あと、私は「オドル銭湯探検」というのにも参加しますよ。

ぎょろめ:なになに…「ふだんは見れない井戸水を沸かす古い薪釜、男・女湯通じる扉、おかまドライヤー体験、昭和タイルの秘話etc銭湯の裏もオドル案内人とともに探検します。」だって!オドル案内人がいろいろと教えてくれるんですか?

オカザキさん:そうです。オドル案内人が銭湯の裏側をご紹介していきます。普段は見られない本当に古い薪釜とか男湯から女湯に通じる扉があったり…。

 

ぎょろめ:そんな場所があるんですか!?大丈夫かな…。

オカザキさん:まあ、お掃除のために使うからね!

ぎょろめ:よかった…。

オカザキさん:あとは、できたら銭湯のタイルの上にごろんと寝転がってみたいなと思っています。オープン前なのできれいですし、タイルの上が本当に暖かいんですよ。

ぎょろめ:銭湯で寝転がるなんて中々できないですよね。

オカザキさん:そう。天井がとってもきれいに見えますよ。そんなボーッとする時間を設けつつ、銭湯によくある「おかまドライヤー」の体験も考えています。

ふとめ:おかまドライヤー?

オカザキさん:あの頭をすっぽり入れて髪を乾かすドライヤーだね。

 

ぎょろめ:やってみたい!あれって一人でやるのは中々勇気がいりますもんね。

オカザキさん:いいでしょう?普段使うなら20円とかかな。かなり安く使えるんですよ。

ぎょろめ:全力で銭湯で遊ぶってなんだか楽しそう。

オカザキさん:でしょう?あとは、「銭湯DJ」とか「チェロ四重奏」なんかも予定してますね。あとは最近流行りの「ランステーション」として銭湯を使ってもらったりとか。荷物を預けた後に走りに行って最後にお風呂に入るっていう感じですね。

ぎょろめ:色んな趣味の人が銭湯に行けそうですね。

オカザキさん:そうだね。たくさんの方に銭湯の魅力を知ってもらいたいです。この「銭湯バカンス」は10月7日から11月26日まで区内の各浴場で開催されるので、詳しくはホームページをチェックしてください。

 

2つの夢

ぎょろめ:それでは最後となりますが、オカザキさんや「北斎ヨガ」の今後の展望を教えてください。

オカザキさん:はい。やってみたいことがまず一つありまして、インターネットでの「生放送」に挑戦したいなと思っています。私、この前友人の「ニコニコ生放送」に初めて出演して「北斎ヨガ」をやったんですね。それがすごく面白かったので、自分でもやってみようかなって。まずは墨田区の方をお呼びして、1ポーズとっていただいてから墨田区の暮らしについて話を聞いていくコーナーなんか面白そうだなって考えていますよ。

 

ぎょろめ:「北斎ヨガチャンネル」みたいになるんですかね。

オカザキさん:そうだね、そんな感じになっていけたらいいかな。それが一つ地道な夢と、あとはやっぱり…世界に行きたい!

一同:(笑)

オカザキさん:フランスって北斎ファンが結構いるそうなので、例えばエッフェル塔の下で北斎ヨガをみんなでやったりしたら面白そうだなって考えています。

 

ぎょろめ:すごいいい画になりそう!エッフェル塔のポーズとスカイツリーのポーズなんかで交流できないかな…。というわけで、その「生放送」と「世界」に向けてがんばっていきましょう!それではオカザキさん、どうもありがとうございました。

ふとめ:ありがとうございました。

オカザキさん:ありがとうございました。

 

つながる

墨田区

恒例の「人つながる墨田区」ポーズで幕を閉じた輪旅第十三弾。

「北斎ヨガ」の秘話、「yahiro8」開所のきっかけなどをお聞きしました。

クリエイティブな方々の活躍によってすみだがもっと元気になっていくかもしれませんね。

オカザキ恭和さん、ありがとうございました!

輪旅第十四弾は11月中旬更新予定。

輪旅オフショットは墨田区公式フェイスブックをチェック。

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