【Vol. 04】開館に注いだ情熱

“すみだ北斎美術館”開館から約1か月。
今回の輪旅わたびは美術館開館の最前線でお仕事をされている職員の方にお話をお伺いしました。
墨田区文化振興課北斎美術館開設担当からお越しいただいたのは宮澤さんと田中さん。
学芸人の二人は一体どんなお話をお聞き出来たのでしょうか。

来館されたお客様から「来て良かった」の声。

ふとめ:葛飾ふとめ♪

ぎょろめ:ぎょろめの♪

ふとめぎょろめ:輪になって北斎♪

ぎょろめ:さあ、本日お越しいただいたのは、“すみだ北斎美術館”の立ち上げに携わった職員の方ということで、一体どんなダンディな方がいらっしゃるのでしょうか。それではお呼びしましょう。宮澤さんと田中さんです!よろしくお願いします!

北斎美術館開設担当の宮澤さん(右)と田中さん(左)

宮澤さん田中さん:よろしくお願いいたします。メリークリスマス!

ぎょろめ:メリークリスマス!ふざけてますね~、(アクセサリーを)付けたのは私ですけどね。お似合いです。それではまず初めに自己紹介をお願いいたします。

宮澤さん:はい。文化振興課北斎美術館開設担当の宮澤と申します。これまで北斎美術館の開設に尽力してまいりました。おかげさまでようやく11月22日にオープンすることができました。ありがとうございます。

田中さん:はい。同じく文化振興課北斎美術館開設担当の田中です。ようやく美術館がオープンしてたくさんの方にご来場いただき本当に嬉しく思います。これからもよろしくお願いいたします。

輪旅の装いもクリスマスver

ふとめ:めでたくオープンしましたね、本当におめでとうございます。きっと開館直前は大変でしたよね。

ぎょろめ:田中さんの目に生気がないのが印象的でした。今日はふざけた格好をしてバッチリですけど。演出にご協力ありがとうございます。

一同:(笑)

ぎょろめ:では美術館についてお聞きします。開館してまだ間もないですが、評判やどんな方が来館しているか教えてください。

宮澤さん:はい。12月4日現在で2万6千人を超えるお客様にご来館いただいています。

来館者数に驚くふとぎょろ

ぎょろめ:2万6千人!?もうそんなにいらしたんですか!?

宮澤さん:そうなんです。今回の開館記念展の目標が3万人ですので、もう既に目標値に近いところまできていますね。

ぎょろめ:早めに達成しそうなんですね。

※12月8日には3万人来場を達成(取材日12月6日)。

待機列ができるほどの人気ぶり

宮澤さん:はい。小さいお子さんからご高齢の方まで本当に幅広いお客様に来ていただいてます。それからヨーロッパやアメリカなど多くの海外のお客様にもご来館いただいていますね。

ぎょろめ:北斎が世界で評価されているのを実感しますね。混雑具合はどんな状況ですか?

宮澤さん:すごく混んでいる時だと待ち時間が大体30~40分くらいですね。やはり土日が混雑します。1日の平均来館者が2000~2500人くらいです。

ふとめ:おお~、大人気ですね!

お客様の感想を話す田中さん

ぎょろめ:沈黙の田中さんから見て評判はいかがですか?

一同:(笑)

田中さん:はい。お客様のお話を聞くと「来てよかった」言ってくださる方が多くてですね、無事オープンできて良かったと思っています。

ぎょろめ:なるほど。小さいお子さんもいらしてるとのことですが、飽きずに観ていられますかね?

田中さん:美術館の4階に常設展があって、そこにミニゲームで遊べるタッチパネルがあります。例えば北斎の絵の中から富士山を探したり、絵の順番を並べ替えたりするゲームができますね。あまり小難しく考えなくてもお楽しみいただけるようになっています。

ふるさと納税で美術館を応援!返礼品にも“北斎”

ぎょろめ:それは楽しそう!ぜひ多くのお子さんにも来ていただきたいですね。大人気の美術館ですが、墨田区のふるさと納税にも北斎グッズがあるとお聞きしました。どんなものがありますか?

田中さん:はい。まずはこちらの“からくり屏風キット”です。自分でからくり屏風を作ってから畳んだり開いたりすると絵柄が変わるという粋なアイテムですね。他にはこの“小銭入れ”があります。

ぎょろめ:自分で作って遊べるのは楽しいですね!小銭入れは革製なんですか?

宮澤さん:そうですね。ピッグスキンです。肌触りがとても滑らかなんですよ。

ぎょろめ:この滑らかなもち肌、まるでふとめの二の腕のようですね。

ふとめ:誰がピッグや!

一同:(笑)

豚革を使った小銭入れを触るふとぎょろ

宮澤さん:“すみだモダン”という墨田区がブランド認証している品を中心にふるさと納税の返礼品としておりまして、とても人気ですよ。ふるさと納税も平成26年から募集を開始していまして、現在までで5億9千万円にもなっています。

ぎょろめ:そんなに集めて一体なにをするんですか!?

宮澤さん:はい。すみだ北斎美術館の今後の展覧会など、美術館を充実させるための資金に充てさせていただいています。

ぎょろめ:返礼品で北斎グッズまで選べるなんて…これはもうふるさと納税やるっきゃない!

“隅田川両岸景色図巻”と“須佐之男命厄神退治之図”

ぎょろめ:続きまして、北斎の作品に関してお聞きします。日常の業務の中でたくさんの北斎の作品を目にすると思いますが、お二人の個人的に好きな作品があれば教えてください。

田中さん:はい。私は美術館の開館記念展の目玉である“隅田川両岸景色図巻”ですね。

宮澤さん:それ言っちゃう?言っちゃうの?

田中さん:言っちゃいます。

一同:(笑)

田中さん:いま美術館で開館記念展“北斎の帰還‐幻の絵巻と名品コレクション‐”を開いておりまして、100年ぶりに発見された幻の絵巻が展示してあります。幅が約7mもある巨大な絵巻で、広げた状態で観られるというのはとても迫力があって好きですね。

ぎょろめ:約7mの中で好きな部分はありますか?

田中さん:6mくらいのところですかね。

ふとめ:どこから6mなの!?

ぎょろめ:大体、右側の景色画から人物画に変わるくらいのところですかね。

田中さん:人物画に入ったところですね。

ぎょろめ:なるほど!ご覧の皆様、一体どの部分を言っているのか気になったら美術館へどうぞ!

ふとめ:うふふふ

田中さん:はい。その絵は肉筆画で世界に一点しかない貴重なものというところもポイントですね。

隅田川両岸景色図巻の幅は約7m

ぎょろめ:版画は何枚も同じ絵柄を刷れる一方で肉筆画は一点モノですもんね。ありがとうございました。それでは"隅田川両岸景色図巻"を言われてしまった宮澤さんお願いいたします。


宮澤さん:はい。実はもう一つ目玉がございます。

宮澤さん:“須佐之男命厄神退治之図すさのおのみことやくじんたいじのず”という作品です。北斎が墨田区内にある“牛嶋神社”に奉納したとされる記録が残っていますが、関東大震災で焼失してしまった作品なんです。モノクロ写真でしか残っていないその作品を復元しようという取組があって、見事復元されて常設展示の入口前に大きく展示されています。色の復元が大変難しかったそうなんですが、あんなにダイナミックな作品が昔から墨田区にあったと思うと感慨深いですね。

復元された“須佐之男命厄神退治之図”

ぎょろめ:そうですね。"須佐之男命厄神退治之図"は北斎晩年期の最大の傑作と言われていますよね。年齢を重ねていくと控えめになっていくのかと思いきや晩年期にしてあの派手な色使いが出来るってカッコいいと思います。

宮澤さん:はい。ぜひ美術館にて間近でご覧いただきたいと思います。

北斎のチャレンジ精神と前向きな姿勢

ぎょろめ:続いての質問ですが、北斎の人物像についてお聞きします。男として、北斎の生き方に学んだ点や尊敬できる点があれば教えてください。

田中さん:そうですね…。北斎は色んな画風や描き方に挑戦し続けたと思うんですよ。そんなチャレンジ精神を持ち続けているところは見習いたいと思いますね。

北斎から学ぶ姿勢とは?

宮澤さん:いち早く西洋の技法を進んで学び、それを作品に取り入れていった前向きな姿勢は本当に素晴らしいと思います。

ぎょろめ:お二人もね、いきなりサンタ帽と鈴を渡されてすぐに身に着けるところは本当に前向きですよね!北斎との共通点あるじゃないですか!

ふとめ:拒否はしなかったよね

一同:(笑)

北斎の人柄について話す宮澤さん

ぎょろめ:私たちが昨年から学芸人という謎の存在として活動し始めた時も、宮澤さんと田中さんが前向きに受け入れてくださいましたからね。今日はご一緒できて嬉しいです。

宮澤さん:ここのところ、ふとめ・ぎょろめさんはお忙しくて超有名人ですもんね。

ふとめ:そんなことないですよ(笑)

田中さん:私たちが見たことないネタも披露してるって聞きましたね。

ぎょろめ:それは二人がお忙しくて見に来られないからでしょう!?

一同:(笑)

構想28年、開館までの長い道のり。

ぎょろめ:続いてなんですが、お二人が美術館開設の最前線でお仕事をされてきて一筋縄ではいかなかったこともあったと思います。そんな印象深いお話があったらぜひ教えてください。

田中さん:ここは開設担当10年目の宮澤さんお願いいたします。

ふとめ:10年目!?

宮澤さん:そうなんです。実はこのプロジェクトに参加させていただいて10年目に突入いたしました。

ふとめ:聞いた話によると、美術館開設の構想ができたのが20年以上前なんですよね?

開設までの道のりを尋ねるふとぎょろ

宮澤さん:はい。平成元年からのプロジェクトなんですよ。
私が平成2年に入庁したので、その前からプロジェクトが始まっていました。構想から27,8年経過してようやく開館しましたが、これまでに本当に色んな人が関わってきた歴史があるんですよね。私がここの部署に異動してくる1,2年くらい前には事業凍結している時期がありましたし。区が経済的に落ち込んでいるときは事業をストップするんですね。
今ではお馴染みの東京スカイツリーが平成18年に建設を決定してから、区の方でも国際観光都市を目指すということで改めて美術館のプロジェクトを始めました。それで、私が異動してきた時にはすでに美術館の建設地が決まっていたんですね。

ぎょろめ:そうなんですか?

宮澤さん:実は今の建設地(緑町公園)ではなかったんです。

ぎょろめ:これはいい話が聴けそうだよ、ふとめちゃん!

ふとめ:うふふふ。

宮澤さん:当初は北斎通りから奥まったところだったんです。
ですが、国際観光都市を目指すというので本当にその場所でいいのかという議論がされました。今の建設地を含めて新たに候補地としての分析・検証をしたという経過があります。そこで今の場所に関しては北斎通りと総武線からの視認性が優れているという結果になりました。

ぎょろめ:視認性ですか。

宮澤さん:よく目立つということですね。
ぎょろめ:なるほど!分かりやすい!
宮澤さん:それから緑町公園との一体性です。公園と一緒に整備と活用ができるということで今の建設地に決定しました。それが私が異動してきてから1年から1年半くらい経った頃のことですね。

開館までの1ページを聞くふとぎょろ

ぎょろめ:1年くらいしか経ってない!まだ土地しか決まってない!

宮澤さん:はい。その間、地元の方々へ行う説明会を7回ほど開きました。そこでは地元の方たちと熱い想いを語り合いながら貴重なご意見をいただいたんです。それで、地元の方々から街の活性化のためにも美術館の建設は区の方に任せようとご賛同くださったんです。

ぎょろめ:なるほど、長い道のり…。

宮澤さん:それからも開設に係る調整や東日本大震災の影響がありましたけれど、皆様のお陰でようやく開館にこぎつけました。

ぎょろめ:まだ泣かないでくださいね。質問まだありますから。

一同:(笑)

幻想的な自由通路と螺旋階段

ぎょろめ:それでは続いて美術館の魅力についてお尋ねしたいのですが、お二人が思う美術館の魅力はどんなところでしょうか?まず久しぶりに田中さんお願いいたします。

田中さん:そうですね…美術館の魅力ですか(笑)

ふとめ:なんでちょっと笑ってるの!

ぎょろめ:美術館のガラスが素敵とかそういったマニアックなものとか…ねえ?

田中さん:そうですね…。美術館の1階に自由通路があるんですが、通路の壁面がガラス張りなんです。そこを上手く撮ると万華鏡みたいに撮れて。それがすごく幻想的で綺麗なんですよ。

ぎょろめ:ガラスの反射がすごく綺麗に映るらしいですね。

田中さん:透明性の高いガラスを使用していますね。

万華鏡の様にも見える自由通路

ぎょろめ:なるほど。宮澤さんはいかがですか?

宮澤さん:私はですね、個人的に螺旋階段が好きですね。1階から地下に行く階段や4階から3階に行く階段なんですけれども、いい歪み具合にくすぐられますね。

ふとめ:そう?私すごく降りにくいと思ったけれど…

ぎょろめ:ハハハ!ダメ!ふとめちゃん、ここは魅力だから!

一同:(笑)

ぎょろめ:建物の壁も直角ではなくて色んな面が合わさっていますもんね。

宮澤さん:そうですね。そういった建物の作りなんかもお楽しみいただけると思います。

ぎょろめ:世界的に有名な北斎の作品という主役があって、それだけでなく建物や絵の周りにも楽しませてくれる演出があるって素晴らしいなと私は思いました。

宮澤さんのお気に入りの螺旋階段

すみだ北斎美術館の勢いは止まらない

ぎょろめ:それでは最後の質問です。たくさんの魅力がつまった美術館ですが、これからのイベントなど今後の展開を教えてください。

田中さん:はい。2017年1月の2日と3日に新春イベントということで“祝!北斎元年 初春再廻隅田賑”が行われます。獅子舞や書道のパフォーマンスを始め、“葛飾ふとめ・ぎょろめ”さんの漫才も観られるという豪華なイベントです。

ふとめ:美術館に行って獅子舞が観られるってすごいね!あとふとぎょろも見られるなんてね。

ぎょろめ:私たちはどこで見られるのかイマイチ分からないからね。

一同:(笑)

田中さん:あとは美術館の開館記念展“北斎の帰還‐幻の絵巻と名品コレクション‐”は2017年1月15日までやっていますので、そちらも合わせてご覧ください。あとは2回目の企画展“すみだ北斎美術館を支えるコレクター ‐ピーター・モースと楢崎宗重 二大コレクション‐”が2月4日から始まります。

ぎょろめ:おお!もう決まっているんですね!

宮澤さん:はい。ピーター・モースさんはコレクターであり研究者でもあるので、非常に質の高いコレクションたちが展示されます。ぜひ、多くの方にご覧いただきたいですね。

ぎょろめ:それは楽しみですね!輪旅をご覧の皆様、ぜひ美術館へ足を運んでみてくださいね。それではそろそろお別れのお時間が近づいて参りました。宮澤さんと田中さん、本日はお付き合いくださりありがとうございました!

ふとめ:頭の飾りもつけてくださってありがとうございました。

ぎょろめ:私たちが勝手に付けさせていただきました!

一同:(笑)

つながる

墨田区

恒例の「人つながる墨田区」ポーズもクリスマスの装い。
みなさんバッチリ決まっています。
中々聞くことができない開設の裏側をお聞きした輪旅第四弾。
この記事を読んだ後で美術館へ行くとまた違った魅力を感じるかもしれませんね。
次回の輪旅は2017年1月下旬の予定!お楽しみに!
輪旅第四弾の動画は下記をチェック。

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