Vol. 04 知ってる?あなたのまちの防災活動

すみだはとても防災意識が高いまち。地震、水害、火災。度重なる災害にもめげず、そのたびに復興を遂げてきました。防災で大事なのは、まちを知ること、自分たちの暮らしを考えることです。でも実際は・・・

 

「災害が起きたときの避難場所が分からない!」

「普段の暮らしのなかで、対策できることってあるの?」

「自分が住んでいるまちのこと、知っているようで、知らないなぁ」

こんな声が聞こえてきそうです。

 

そこで、すみだのなかでも、特に防災活動に熱心に取り組んでいる「菊川三丁目町会」は、どうやって災害に備えているのかを、教えてもらうことにしました。菊川三丁目町会のみなさん、今日はよろしくお願いします!

取材へお邪魔したのは、年に一度の防災訓練の日。幼稚園児のお子さんからお年寄りまで、町会会館を埋めつくすほどのたくさんの参加者。その数なんと70名!住民のみなさんの防災意識の高さが伺えます。

 

まずは、貸切バスに乗り込んで、東京消防庁が運営する「本所防災館」へ。地震体験、応急救護体験、暴風雨体験、煙体験、都市型水害体験など、さまざまな体験学習が行えるそう。参加者のみなさんが防災館を見学している間、町会会長の吉田さんから、菊川三丁目町会の防災活動について、お話を伺いました。

菊川三丁目の町会防災団には、69年もの歴史があるそう。「自分たちのまちは自分たちで守る」という精神に基づいて、住民が力をあわせて町内の安全を守ることを目的として結成されました。

 

菊川三丁目町会の特徴は、「支援サポート隊員」という独自の取り組みを行っているところ。災害時に一人で避難できないお年寄りに対して、近くに住む方が、サポーターとして登録されているそうです。

吉田会長はこう続けます。「人っていうのは、みんな人助けしたいものだと思うんです。一人ひとりの力は弱くても、協力し合うことができたから、ホモ・サピエンスは最後まで生き残ることができた。ネアンデルタール人は互いに助け合わなかったんだって。みんなで助け合って、一緒に生きていく。それが大切なんじゃない?」。なんだかとっても深い話を聞けました。

 

今日の防災訓練には、大勢の参加者がいましたが、そこにもヒケツがあるのでしょうか?

 

張り紙をしたり、マンションの方に連絡をして参加を募ったり、facebookで情報を発信したり。SNSも駆使して、いろいろな方法でお知らせしているそう。特に、6つに分かれている各部の部長さんの協力は欠かせないんだとか。「人にものを頼むときは、ぶっきらぼうじゃだめ。”ありがとう”の言葉が大事だよ。」と教えてくれました。

近くの公園でスタンドパイプを使った放水訓練を実施したあと、町会会館に戻ってきた参加者のみなさん。

続いては、発電機のエンジン入れに挑戦。

「やってみたい人?」の問いかけに、元気よく手が挙がります。

「えぇっ!むずかしい!」

思うようにかからないエンジン。大人がクリアしていくのを横目に、悔しそうです。

その後は、仮設トイレの作成体験です。災害時に、水道が使えなくなって、トイレも使えなくなった場合は、どうしたらいいんだろう?その解決策のひとつが、ダンボールでつくる仮設トイレなのです。

先生役は災害対策に詳しい住民の方。聞けば、お仕事でも災害対策を学ばれたとのこと。町会に専門家がいるとは、心づよい!

大人も子どもも、みんなで協力しながら、一つひとつ組み立てていきます。

だんだん、形が見えてきました。

お!便座もちゃんと付けられるんですね。

完成!座り心地はどうかな?

 

その後、凝固剤を使って、便をジェル状に固める実験も行いました。

みるみるジェル状に変化していく様子に、子どもたちからも「すご~い!」と歓声があがります。

 

親子でいっしょに体験できることも、町会訓練の良いところ。こうした訓練が、防災のことを家族で話すきっかけになるんだなあ。そう感じました。

みんな。今日教わったこと、お友だちにも教えてあげてね!

 

 

冒頭の吉田会長のお話にあったように、菊川三丁目町会は、まちをあげて、防災活動に取り組んでいます。ということは、住民同士のつながりが重要になってきますよね。

 

「どうやって、つながりを深めているのですか?」と会長に聞いてみたところ、「今度、会館で定期総会をやるから、おいでよ!」と誘っていただきました。ということで、後日、定期総会にも伺ってきました。

年度内の活動を報告し、議案の承認を行う総会。

ピリッとした雰囲気のなかでも、時折、笑顔が見られました。

防災に関する議案では、「住民が町会に一番期待していることは、防災だ。」というお話がありました。。「これまで以上に、防災団の活動に力を入れていこう。」という意思表明に、ただただ感服するばかり。

隣近所とのお付き合いが希薄になっていると言われる昨今。だから「あいさつを交わして、隣近所と知り合いになりましょう!」というメッセージも共有されました。

総会のあとは、懇親会。こうやって顔を突き合わせて、人と人とのつながりを育んでいるんですね。写真はお食事の準備をされていた女性陣。私たち取材班のことまで気遣ってくださりました(大変ありがとうございました!)。

菊川三丁目町会には、餅つき大会や豚汁を振る舞う会、お祭りなど、住民が集うイベントがたくさんあります。防災訓練の日に、子どもたちは、周囲の大人と自然におしゃべりをしていたのが印象的だったのですが、普段からこうしたお付き合いがあってこその、あの仲の良さだったんですね。こうしたつながりが、災害時の力になるのでは。そう感じました。

 

最後に、みんなで集合写真。これからも、菊川三丁目町会の活動を応援しています!

災害に備える。でも、何から始めていいのか分からない。そんなときは、自分が暮らすまちが、どんな防災活動を行っているのか調べてみるといいかもしれません。もちろん防災活動だけでなく、地域のイベントに参加するだけでも、地域とのつながりができるはず。菊川三丁目町会さんのように、「助け合いの心」と「感謝の気持ち」を忘れずに、近隣の方と仲良くなることも大切。取材を通して、深くそう感じたのでした。

 

防災を考えることは、生きる力を養うこと。ぜひ、この機会に、考えてみてください。